休職して分かったこと②時が経つのは早い
To be or not to be,that is a question.
シェイクスピアの「ハムレット」に出てくる有名な辞句で、日本では「生きるか死ぬか、それが問題だ」と訳されますが、これは哲学的には「実存」と呼ばれる「いま、ここ」にあるか(ないか)という問題です。
これを小説にしたものとして、ジャン・ポール・サルトルの「嘔吐」が有名ですね。絶えず入れ替わる自己というものに「吐気」を催すというものです。
僕の生活を彼らに重ねるのはあまりに不遜ですが、休職して1ヶ月くらいした時、これを感じたのです。
仕事に行かなくなってから、とにかく感じたのは「1日が長い」ということです。
勤務中の月〜土曜は、朝8時くらいから雑務整理をして、ホームルームに行き、授業や採点、事務仕事などをこなし、放課後は部活や会議、それが終わって仕事してるとあっという間に8時(施錠時刻)で持ち帰り仕事もしばしば。日曜は半日やら1日やらの部活で午後も家のことやったり本読んだりしてればもう夜。
「早く一週間が終わってくれ」とか「はやく夏休みになってくれ」なんて思いながらも、一週間や一ヶ月があっという間に(その期間に休みは1日、良くても2日)終わります。これじゃ家のこともほったらかしになるわ。笑
翻ってそれがなくなり「専業主婦」のような生活が始まると、だらだらテレビを見ながら朝食を取り、犬の散歩に行き、掃除、洗濯やらをだらだら休みながらやっても、
「あれ、まだ午前中じゃん」
といった感触で、夕食の準備を始めるまでにたっぷりのフリータイム(だいたい読者かNBAを観て時間を浪費)です。
あまりのヒマさ加減に拍子抜けがしました。
それから3ヶ月が経ち、(かなりの手抜きを覚えましたが笑)同じようなことをしていても、
「あれ、もうこんな時間か」
と思うことが増えました。
二学期の初めに職場を飛び出しましたが、きづけばもう冬休みで仕事納め。師走もいいところの年の瀬です。
初めはこのヒマさからくる全能感に満ち溢れ、好きなだけ本を読み、ギターを弾き、名門校に絞った強気の転職活動(もちろん落ちた)、休日は奥さんとお出かけしたり、行けなかった新婚旅行に行ったりしていたのですが。
最近はやることがなさすぎて、それなのに1日があっという間で逆に病んでます。なんて贅沢な。笑
人間の脳は良く出来ているようで、すぐに順応して「元の感覚」を取り戻してくれる、要らん機能が備わっているようです。
結局、月日が経つのは早い。光陰矢の如し。
少年老い易く、学成り難し。
時間は大切に遣わないといけないな、といい歳して実感させられました。てなわけで、サボっていた文学の勉強を最近はまた始めています。
それにしても、流石に生徒や保護者がウヨウヨしてるところには行けないので、コメダ珈琲の喫煙室くらいしか行くところがないのが辛い。
ここから脱却しようと思い、2月にはアメリカに行くことにしました。「これが出来たら死んでもいい」と思っていたNBA観戦です。WOWOWで放送されないのを祈るばかり。笑
さて現実逃避もそろそろに、また勉強に取り掛かります。久々に読むガチの文芸評論はムズい。。