つひにゆく道

休職中の国語教師が教育・文学・音楽などについて語ります。料理と愛犬についても結構書きます。

迷い犬を保護した話。

今日は、たった二日間だけですが、家族となった犬の話です。

 

昨日の朝、いつものように2匹の犬を連れて散歩をしていると、田んぼのところにゆっくりと動く茶色い物体が。

 

なんだ?と思って近づいてみると、やや大きめの犬でした。老犬らしく、ふらふらと泥まみれになりながら歩いていました。手を触れると、少し怖がっていましたが、全く吠えないとても優しい子でした。目は白内障で、あまり見えていない様子でした。

 

妻も一緒にいたのですが、犬が大好きな夫婦なので、迷わず保護しました。少し怖がっていましたが、抱っこして家に連れて帰り、とりあえずベランダに置くことにしました。

 

お腹が空いていそうなので、温かいミルクとドックフードをあげました。しかし、多少ミルクは飲んだものの、ドッグフードには手をつけません。老犬だから歯が弱っているのかな?と思い、柔らかいペースト状の餌をあげたところ、ガツガツと食べてくれました。

 

とりあえず寒いので毛布がわりにいらなくなった服やバスタオルを敷いてやりました。初めは落ち着きがなく、疲れているはずなのに、いつまでもベランダをうろうろしていました。

 

しかし時間が経つと、少し慣れてきたようで、手を出すとぺろぺろなめてくれたり、座ったりしてる寝るようになりました。しっかりおしっこもしました。笑

 

それがこの子です。

 

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そして、田んぼの中にいたので泥だらけだった体を、風呂場でシャンプーしてきれいにしてありました。その後、近くのドラッグストアで餌の缶詰と、それを買ってやりました。

 

このまま自分のものにしたいと言う気持ちが抑えられなかったのですが笑、とりあえず飼い主を探すことにしました。小型犬しか買えないアパートに住んでいるので、あまり長くは預かれません。

 

以下、少し話がそれますが、役所の職員たちとのグダグダのクソみたいなやりとりです。

 

①動物指導センターに電話

 

犬が逃げたり、犬を保護したりした場合は市町村や都道府県の動物指導センターに情報が集約されます。そのため、まずこちらのサイト見たのですが、まずここで驚愕。

 

なんと、電話しか受け付けていないのです。今の時代にEメールを送ることができません。こちらがすべて特徴などを口で説明するので、ちゃんと伝わるかもわからず心配です。そして役所と言えば、受け答えもグダグダで、仕事が遅い人ばかりですから、案の定イライラしながら無駄な時間を過ごします。せっかく写真を撮ったのに送ることもできませんでした。犬や猫を救う気持ちが本当にあるのかどうか疑問です。

 

一通りのやりとりが終わると、市役所と警察にも連絡してくれと言われました。なんで保護してやった市民が自腹で電話をかけて、こんな面倒なことをしなくてはいけないのでしょうか。無責任な縦割り行政の縮図です。

 

②市役所とのやりとり

 

仕方がないので電話をかけると、またもや受け答えが要領を得ないグダグダのおばさん。犬を保護しているという旨を伝えると、こちらではなくて保健センターにかけてくれと言われました。この時点でキレそうでした、動物指導センターのやつが言っていた話と違います。連絡体制ができていないどころか、交流がゼロなのかもしれません。保護した人全員がこんな目にあってるのかと思うとやり切れません。

 

さらに仕方がないので保健センターに電話をかけました。そして先程と同様のやりとりをしなくてはなりませんでした。なんでメールを使わないのか全く分かりません。グダグダのやりとりのくせに、「飼い主が見つからなかったらあなたが買ってくれますか」という言葉はやたらしつこく確認されました。責任の所在にしか興味がないようです。早くAIが普及して、こんなやつらは全員職を失えばいいと思います。

 

③警察所とのやりとり

 

相変わらずの要領得ない受け答えで、先ほどと同様のやりとりが繰り返されるのはもう書くまでもありません。そして、一通りの内容を話して住所と電話番号まで伝えたのにもかかわらず、手続きのための書類を書きに警察署まで来てくれと言われました。「恩を仇で返す」とはこのことです。交番ではダメかと聞いたのですが、「交番に話を通さなくてはいけなくなるので」警察署まで行ってくれと言われました。だからメール使えよ、何様なんだこのクズども。

 

しかも、1番許せないのは、「窓口の営業時間があるので、平日の5時までに来てくれ」と言われたことです。なんで保護してやったのに、普通の人だったら仕事を早退してくだらない手続きをしに行かなくてはいけないのでしょうか。三箇所に無駄な連絡して、税金で人件費払う前に、情報共有できるようにすればいいだけの話でしょ、もういい加減腹が立ったので無視することにしました。

 

この①から③のやりとりを通して、分かった事は、動物を大切にする、救ってあげる、などといった気持ちは彼らには皆無だということです。マニュアルに沿ってくだらない手続きを進めているだけです。こんな調子では、「めんどくさい」という気持ちを起こさせるだけで、保護した犬を助けようなどと言う気持ちは誰も持たなくなってしまいます。彼らはよっぽど殺処分がしたいのでしょうか。

 

報道などでは、いかにも人間の身勝手で、犬や猫が次々に殺されていくというような印象を刷り込まれますが、そうならないようにするだけの最低限のシステムさえ出来上がっていないので、こんな悲惨な事態になっていることがよく分かりました。これで引き取る、譲渡する、ということになったらどれだけ面倒なんでしょうか。

 

仮にブローカーに転売されても、高齢者に飼われても、殺処分されるよりはマシでしょ。訳わかんない煩雑なシステム作って、犬や猫を殺してるのはあんたらだよ。大変悲しい気持ちになりました。

 

話がそれましたが、犬の話に戻ります。

 

保護した犬は、一晩、寒いベランダので、小屋がわりの段ボールの中で頑張ってくれました。ご飯もしっかり食べてくれました。もう可愛くて、そして心配で仕方がなくて、寒いけれども何度も何度も窓を開けて外を確認して撫でてやりました。

 

そして今日の朝起きると、しっかりとおしっこうんち(うちの若い小型犬よりはるかに臭くてデカい笑)もしていました。これで一安心です。

 

そして昼前に、警察署の方から電話がかかってきて、飼い主が見つかったとの連絡が届きました。(手続きしなくても電話来るの?しなくてもいいのだったら、初めから手続きなどしなくていいじゃない。)

 

そして飼い主の方から連絡があり、夕方に引き渡すと言う約束をしました。

 

飼い主が見つかって本当に良かった、と安堵していたのですが、同時にたった一晩でも一緒に過ごしたこの子が家からいなくなると思うと、急速に寂しくなってしまいました。

 

たった一晩で、ペットロスです。笑

 

引き渡しに出発する時間が迫ってくるにつれて、名残惜しさどんどんどんどん募ります。最後は、ベランダに出て、可愛がってやり、我が家の犬たちともお別れをしました。

 

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そして車に乗せ、待ち合わせ場所に到着しました。

 

飼い主の人に会うと、本当に喜んで安心している顔でした。話を聞くと、飼い主の方が仕事に行った後、首輪が抜けて、家から出て行ってしまったみたいです。聞けば長寿の16歳とのこと。目も悪い子なので車にひかれなくて本当に良かった。16年連れ添った家族の家出に、家族の皆が、悲嘆に暮れて探し回っていたそうです。

 

このまま迎えて家族にしたい、もう一晩ぐらいは一緒にいたい、という気持ちもありましたが、やっぱり犬は、大好きなご主人様の下で暮らすのが1番幸せなことです。お礼までいただいて、こんなに感謝されて、たまには人の役に立ったなぁと実感しました。もちろん、犬も2日ぶりの飼い主に大喜び。あのふらふらの足取りとは大違いです。

 

以上が、たった二日間だけ僕の家族とまた、犬の話です。おとなしくて優しくて、本当に可愛い子でした。今も名残惜しくて仕方がない、人生の大切な思い出になりました。

 

ちなみに、これがもらったお礼の品です。

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この袋が見えた時、心の中で静かにガッツポーズをしました。笑

 

 

 

さてさて、うちの小さな愛犬2匹が、昨日からジェラシーに狂っていますので、今日からはまたこちらと楽しく暮らしていきます。

 

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