つひにゆく道

休職中の国語教師が教育・文学・音楽などについて語ります。料理と愛犬についても結構書きます。

初投稿。開設の経緯。

本日からブログを始めました。タイトルは「つひにゆく道」。

 

文学好きの人なら知っていると思いますが、これは古典「伊勢物語」の最終段で詠まれた、辞世の句です。作者は在原業平(※と思われる)。

 

つひにゆく 道とはかねて 聞きしかど きのふけふとは 思はざりしか

 

最後には通る道とはかねてから聞いていたが、昨日今日のこととは思わなかった。つまり、人は誰しも死ぬということは分かっていたが、それが今になるとは思わなかったという意味の歌です。

 

最近ではニュースや記事などでもよく取り上げられていますが、教師の仕事というのはなかなかに大変です。僕もいつかは病むかもしれない、と思っていたら8年目にして早くも休職してしまいました。

 

そんなわけで、ブログのタイトルは「つひにゆく道」にしました。

 

労働時間などいちいち考えてはいませんが、軽く見積もっても「過労死ライン」を大きく超えています。 同僚だけでも、業務過多を理由に辞めていく人や、病気で働けなくなる人を何人も見てきました。部活の大会に行ったら、〇〇学校の監督が休職して別の先生が来ていた、なんてこともザラにあります。

 

でも、それが直接の原因ではないのです。

 

楽をしようと思えば楽をできる仕事ですから、やる気がある教員なら大変なのは諦めています。(僕の学校が比較的楽な方なのかもしれませんが)少しくらい手のかかる生徒でもかわいいもんです。生徒のために忙しくなるのは苦ではありません。

 

一部のタチの悪い保護者や不良は別として、生徒・保護者とそれなりの関係を築けないならば、とっとと辞めた方がいいと思います。過労死ラインを上回るくらいですから、同じくらい働けば、バイトだって食っていけます。

 

僕の場合、一番のストレスになるのは「疲労」ではありません。

 

「徒労」です。

 

無能な先生、やる気のない先生のしりぬぐい。

生徒の立場に立てば一つも効果のないことが明瞭な、行事や課題や生活指導。

一日の業務の大半を占める、無意味な事務仕事。無価値な研修会。

何の生産性もない、学級会以下の低質な会議の数々。

 

挙げればきりがありません。こんなことをこなしながら、家に持ち帰るしかない教材研究や自主勉強、休日は部活動という生活をしていれば、そりゃあメンタルも壊れます。

 

そんなわけで、休職することになってしまいました。

 

以前は、「教師に向いてないやつが生徒との関係を作れなくて病んでいくんだ」などと口幅ったいことを豪語していたのですが、自分がこんな状態になってしまい、少し見方が変わってきました。

 

自分で言うのもなんですが、少なくとも自分の勤務校の中では指導力が高い教師だと思っています。授業もクラスも部活動も楽しくやっています。休職してからは、心配した生徒たちが手紙をくれたり、卒業生が遊びに来てくれたりしています。

 

教師としての「やりがい」は十分すぎるくらい享受しているのにもかかわらず、それを上回るストレスで学校に行けなくなった。

 

というような状態です。仕事に行かなければ、普通の生活を送れるようになったので、この期間を使って、この辺の問題を中心に、学校教育の矛盾や問題について考えていこうと思います。

 

ほかにも、大好きな文学や音楽、バスケ、またお笑い(特にオードリーとさまぁ~ず)についても書いていくつもりです。

 

気が向いたらアクセスしてみてください。